神田ポートビルには、地下にサウナがあります。
サウナは2000年前のフィンランドが起源だといわれていて、その最初のカタチ、原点といえるスモークサウナは、土の中につくられたそうです。いわば洞窟のようなものだったのでしょうか。
1964年に建てられた神田ポートビル(旧精興社)は、再生を意味に込め街に開かれた、リノベーション物件として、2021年4月26日に文化複合施設として生まれ変わりました。
ここにサウナを地下につくる。
これが最初のテーマとなったビルの在り方で、私たちが注目したのは「土の中」です。
言われて見れば、大地は命の象徴でもあります。
ほとんどの植物は土から生まれる場所で、しかも見ることが難しい世界空間。
そんな人間でいう内臓の働きのようなバクテリアや細胞たちの集合体によって構成された空間にアイデアのヒントを与えて、再生の意味をこめた作品をサウナの概念と両立したコンセプトで制作してほしい。
神田ポートビルのコミッションワークに参加してもらった作家には、そのようなお題をご提案し、それぞれの解釈でこの思想にふさわしい作品を作り出していただきました。
みなさま、空間に点在する命の想像をおたのしみください。